
中高年という年齢になって、「健康のため」とか「ロコモティブシンドロームの予防」ということで、
「これから毎日、ウォーキングを始めるか!」…と決意はしたものの、
「はて?自分は、毎日何歩ぐらい歩いたらいいのだろう?」
と悩む方も多いはず。
今回は、「ウォーキングを始めよう!」と決心された方に向けて、適正な運動量と質のヒントになった本から。
書名は『なぜ健康な人は「運動」をしないのか? 』(青栁幸利 あさ出版 2014年9月18日)
著者は、東京都健康長寿医療センター研究所の青栁幸利氏(医学博士)。
8000歩/20分とは!?
本書の重要なキーワードのひとつ「8000歩/20分」
この「8000歩/20分」は健康を守る黄金バランスといいます。
「8000歩/20分」とは、
・歩数、1日8000歩
・中強度の活動、1日20分
という意味です。
歩数、1日8000歩は文字通り「1日8000歩、歩きましょう」という意味ですが、
中強度の活動20分…中強度の活動とはどのような活動でしょうか?
中強度の活動とは!?
中強度……といわれても、一般の方にはピンとこないかもしれません。中強度の運動として代表的なのは「速歩き」です。
普段の歩行よりも急ぎ足。犬の散歩や、待ち合わせの時間に遅れそうで少し急いでいるときの歩行を思い浮かべてください。
低強度の運動は、掃除、洗濯など簡単な家事や、ゆっくりした歩行などのこと。「歩きながら歌を歌える」なら、その歩行はゆっくりすぎます。残念ながら、このような運動を続けても、効果はあまり得られません。
(28~29ページ)
「中強度の活動」についてわかりましたか?
一番、具体的なのが、「速歩き」です。
著者の青栁氏は、健康のためには、日常の活動において「(身体活動・運動の)強度」の概念を取り入れたわけです。
そのうえで、健康のためには「中強度の活動」が有効であることを説き、身体活動・運動の強度が「メッツ(METs)」という言葉で表されていることから「メッツ健康法」としてまとめておられます。
メッツウォーキング
「メッツ健康法」のなかでも「メッツウォーキング」…「速歩き」は一番わかりやすく、実践しやすいと感じました。
要は、1日8000歩、歩く中で、20分間分は中強度の歩き・・・つまり「速歩き(はやあるき)」が含まれればいいということです。
しかも、ウォーキングでは、「身体活動計」を持っていれば、日々の「歩数」とあわせ「中強度の活動時間」もわかる(測定できる)ので、達成感と安心感があります。
※近いうちに「メッツ健康法」の具体的な体験談を投稿しますね(2015年5月4日)
<書籍紹介>
書名:なぜ、健康な人は「運動」をしないのか?
著者:青栁幸利
発行:あさ出版
発行日:2014年9月18日
はじめに
第1章 「毎日1万歩」でも病気になる!?
第2章 健康長寿の遺伝子にスイッチが入る「メッツ健康法」
第3章 あなたの健康を一生守る「8000歩/20分」
第4章 万病を防ぐ奇跡の「メッツウォーキング」
おわりに
この本が役立つ人を(私なりに)考えてみた…
(この本は、運動好きですでに運動が習慣化されている人向けではなく、)
中高年になって、運動不足、体力の衰えを実感し、自分の健康への不安・危機感を持っているている人向けと思われます。
特にロコモティブシンドロームの予防をお考えの方にはおすすめの運動法のノウハウだと思います。
一方、「毎日一生懸命、トレーニング頑張っているから…」という方にも読んでほしいものです。
というのも、中強度の活動は年齢層ごとに好ましいものがあり、誤った運動方法を選んでいる場合は、がかえって健康を害するということを、(いろいろな事例でもって)解説されているからです。
以上のような視点に立てば、
中高年の方で、すでに、頑張ってつらいと感じながらも運動(トレーニング)を実践している人には、
・自分のやっていることが、本当に自分の健康のために役立っているのか!?
をあらためて確認するためにはとても参考になる内容になるでしょう。
※追記(2015年5月31日)
今回ご紹介した「メッツ健康法:歩数、1日8000歩、・中強度の活動、1日20分」については、
大判図解 運動しないで長生きできる!「メッツ健康法」
( 著者:青栁幸利 発行:宝島社 発行日:2015年3月16日)というタイトルで出版されています。
内容は、「メッツ健康法の実践」のためのものです。カラーでの図解・画像が多く取り入れ、大判なのでとても読みやすくなっています。
大判図解 運動しないで長生きできる!「メッツ健康法」については以下のページ(リンク先)にて、私の実践体験も含めたレビューをしていますので参考にしてください。