
2年ぐらい前(2012年頃)からですが……
ストレッチで「ダイエット(ここでは「痩身、やせる」という意味)」できるの?とたずねられることが多くなりました。
確かに2012年頃は、ストレッチでやせる!ダイエットのためのストレッチ的な書籍が多く、「ストレッチは直接的なダイエット効果をもたらす」といった主旨の情報が多かった記憶があります。
ストレッチで「ダイエット」できるのか?という疑問に対して、明快に解説してくれている書籍があります。
坂詰 真二氏の「やってはいけないストレッチ」(青春出版社 出版:2013年5月)です。
どんなにストレッチをしても脂肪は燃えません
(「やってはいけないストレッチ」P50より)
雑誌やテレビなどで、
「ストレッチで体脂肪が減る」
「筋肉が増え、代謝がアップする」といった言葉を見聞きすることがあります。
実際にそうであればよいのですが、残念ながらこれは誤り。ストレッチを行っても直接的に脂肪を燃焼することも、筋肉を増やして基礎代謝を上げることもできません。
まさに、バッサリです。坂詰 真二氏の「やってはいけないストレッチ」が出版されたのは2013年5月。ストレッチで痩せる的、極端な内容の書籍が横行したのが2012年ごろです。もしかしたら坂詰 真二氏が、ストレッチに関する誤った見解を駆逐してくれたのかもしれませんネ。
「どんなにストレッチをしても脂肪は燃えません」…これに続く「根拠」の部分も明快です♪
ストレッチと体脂肪の関係について(「やってはいけないストレッチ」P50~51より)
まず、ストレッチと体脂肪の関係についてお話ししましょう。
実際にストレッチをしてみるとわかりますが、ランニングや水泳などの有酸素運動のように呼吸が乱れたり、心拍数が上がることはありません。それはストレッチで消費するエネルギーがとても少ないからです。
ストレッチを行っても、実施中のエネルギー消費量は安静時より20%程度しか増えません。
運動の強さ(強度)としては筋トレの1/10、有酸素運動の1/20~1/50に過ぎず、散歩程度のレベルなのです。
これだけの根拠(数値)で語られると「なんだ!?ストレッチじゃ脂肪は燃えないのか?ダイエットには使えない?」という気持ちになりますよネ。
動的ストレッチなら……(「やってはいけないストレッチ」P52より)
同じストレッチでもサッカーのブラジル体操やラジオ体操のような動的ストレッチをおこなうのであれば、有酸素運動に近くなり、運動中の消費エネルギーは300%程度アップします。
ともあります。が、「ラジオ体操」となれば、1日に何回(何セット)つまり「時間」をかけなくては…だとすれば、もはやエクササイズの領域ですネ。
「有酸素運動レベルのことはしたくないから「ストレッチ」に関心を持ったんだ!」
という人にはかなりの失望感はあったと思います。
ですが「辛くない、苦しくない」ストレッチ……
「静的ストレッチ」の効果は明らか!!
特に、完全運動不足と自覚する35歳以上の女性…いや男にも絶大な効果(価値)があるんです。
例えば……
「ダイエット(やせる)」ための「カラダ環境づくり」
「アンチエイジング対策」
「ロコモティブシンドローム対策」
「サルコペニア肥満対策」
…美しく健やかに生きるために「ストレッチ」は本当に簡単で有効…だから、正しいストレッチの技法を身につけれることは、「生きるうえでの貴重な(知的)財産」を手にした!ともいえるものなんです。
(つづく)
書籍紹介:坂詰 真二氏の「やってはいけないストレッチ」
青春出版社 出版:2013年5月
この本は、ストレッチをする意味(価値、効果)の本質。初心者が誤解しやすい点、間違ったストレッチの具体例。効果的なストレッチの具体的な方法。等について実に専門的に語られています。
私が本格的にストレッチに取り組もうとした頃、早い段階で、この書籍「やってはいけないストレッチ」を読むことができました。
ストレッチに関する誤った認識や方法を初期の段階でいくつも修正できる点でも、優れたストレッチマニュアルともいえます。
目次
第1章 なぜ、ストレッチをしても効いた感じがしないのか?―やってはいけないストレッチ9のケース
第2章 体の硬さを嘆く前に、自分の体を知るのが先!―筋肉と関節を制するものが、ストレッチを制す
第3章 あなたにストレッチが必要な9つの理由―柔軟性に乏しい体は、じつはこんなにコワイ!
第4章 最小努力で最大効果を得るストレッチの7大原則―やった分だけ成果につなげるポーズ・回数・強度とは?
第5章 老けない体をつくる基本ストレッチ12種目―体が硬い人も、この方法を実践すれば必ずうまくいく!