静的ストレッチは運動前やってはいけないというのは本当か?

ストレッチの科学ec

『静的ストレッチ(スタティックストレッチ)を運動前に行うとパファーマンスが低下する』という研究結果があるという情報が、某TV局の健康番組で放送されたのは今から数年前…その放送のため「運動前のストレッチはよくない」といった誤った認識を持っている人も多くいるようです。

今回、運動前の静的ストレッチ(スタティックストレッチ)の是非について、わかりやすく解説された書籍を発見しました。

発見した書籍は『ストレッチの科学』(長畑 芳仁 監修 、出版社:洋泉社(洋泉社MOOK)出版年月日:2017年1月16日)。

監修者である長畑 芳仁氏は、スポーツ生理学、トレーニング科学、ストレングス&コンディショニング、アスレティックトレーニングの専門家の方です。

まず、学んだことは、『静的ストレッチ(スタティックストレッチ)を運動前に行うとパファーマンスが低下する』という研究結果について、重要な「但し書き」が欠落しているという指摘でした。

長畑氏は、「静的ストレッチを運動前に行うとパフォーマンスが低下する」という研究結果について「1つの但し書き」があるということを教えてくれました。

 

この研究結果には1つの但し書きがあります。それは、「長時間(30秒以上)」行った場合」ということ。つまり、長い時間でなければパフォーマンスに影響はありませんから、「絶対にやってはいけない」というものではないのです。

『ストレッチの科学』18ページ

確かに、1つの部位(ポーズ)で30秒以上もの時間をかけるストレッチなんて、多くの方は実践することはないですよね!

ストレッチの科学 運動前のストレッチとパフォーマンス

長畑氏は、ウォームアップでの「静的ストレッチの有効性」について以下のように教えてくれています。

 

実施時間にさえ気をつければ、静的ストレッチもウォームアップにとても有効です。ケガの予防、筋肉の張りなどコンディションをチェックするためには欠かせないものでもあります。

研究結果の表面だけとらえて「運動前の静的ストレッチは絶対に駄目!」と早とちりするのではなく、「短い時間ならば問題ない。やるべきことはしっかりとやる」という正しい認識を持つことが必要ではないでしょうか。

『ストレッチの科学』19ページ

と、おっしゃています。ストレッチだけでなく多くの健康情報には、不十分な内容のものが多いことがあります。でも、TV番組など、ある程度「権威」があるメディアから発信されると、受け取った視聴者は疑うことはせず、素直に受け入れてしまいがちです。

私も、自分が相当詳しい分野なら、いくら大先生が胸を張って主張しても、「あ、この人、間違ってる!」と主張できます。でも未知なる分野(知識の乏しい分野)では、疑う事もせず受け入れてしまうものです。

今回の記事は、積年の「謎」の解消ができたことの感謝とあわせ、メディアの情報発信のありかた(責任)について考えさせられました。
【書籍紹介】
書籍名:ストレッチの科学
あなたのやり方は間違っている!? もっと伸びる!パフォーマンスが上がる! 効くストレッチを徹底解剖

なぜ、ストレッチを行なうのか?
なぜ、このポーズをとることが効果的なのか?
なぜ、この動きでカラダが柔らかくなるのか?
どこを意識して伸ばすべきなのか?

「効くストレッチ」を理論と実践の両面から徹底解剖。

著者:長畑芳仁 監修
出版社:洋泉社(洋泉社MOOK)
出版年月日:2017年1月16日

<目次>

PART1 ストレッチを知る
・〝筋肉を伸ばす?ことの意味を知る ストレッチとは何か?
・カラダが柔らかくなるとは、どういうことか?「横断的柔軟性」と「縦断的柔軟性」
・より効果を得るために知っておきたい ストレッチの歴史と種類 ほか

PART2 静的ストレッチ

静的ストレッチ40種類
・静的ストレッチⅠ 脚
・静的ストレッチⅡ 骨盤まわり
・静的ストレッチⅢ 肩・胸・首
・静的ストレッチⅣ 背中・腹部・腰
・静的ストレッチⅤ 腕 ほか

PART3 動的ストレッチ
動的ストレッチ 20種類
ストレッチの効果をより高める筋膜リリース

※監修者:長畑芳仁(なかはた よしひと)氏について

1960年12月、大阪府出身。
早稲田大学教育学部卒業、順天堂大学大学院体育学専攻修了。
専門はスポーツ生理学、トレーニング科学、ストレングス&コンディショニング、アスレティックトレーニング。2001年4月に「すとれっち塾 戸田公園店」をオープン。
ラグビー、ボート、カヌー、ダンスなど、さまざまな選手、チームのパーソナルトレーナーも務める。
帝京大学医療技術学部専任講師。
日本体育協会公認アスレティックトレーナー。
NPO 法人日本ストレッチング協会理事長。

※本書『ストレッチの科学』は、ムックタイプ(結構大きくて薄い書籍)ですが、ストレッチに関して理論編では、これまで、なんとなく不明だったことに、正確な情報を提示してくれて、とても安心して読める内容です。

さらに、ムックというサイズの大きさのおかげで、ストレッチのポーズも大きな画像満載でわかりやすいですね。

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